2009年版
<伊都どうぶつ病院新聞>

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1年を通じて(隔月発行ですが)こちらの「伊都どうぶつ病院新聞」で皆様にさまざまな動物の病気やその予防法などご案内していきたいと思います。

なるべくくだけた文章で皆様にわかりやすいように心がけてはおりますが、不明な点、わかりにくい点などありましたらお気軽に当院までお問い合わせください。


今年は例年以上に早く暖かくなりました。
そうなってくると気なるのが、今年も「蚊」の季節。
人はもちろん、犬に蚊が刺すことで伝染する寄生虫の病気、そう、「フィラリア」感染症の季節です。
まず「フィラリア」って何?という話から。

「フィラリア」というのは、主にイヌ科の動物に感染する”寄生虫”の名前です。通常、犬の体内で繁殖して増えたフィラリアの子虫は「蚊」に刺されたときに蚊の体内に入り、その蚊がまた他の犬を吸血するときにフィラリアがその犬に感染します。

フィラリアが感染すると、犬の心臓へ半年間かけて移動し、心臓で成長し親虫になります。そして、親虫は雌雄がそろうと子虫を産み始め、その子虫は犬の心臓から血管を流れて体中を循環するようになります。一方、犬は成虫が心臓にいるために「心不全」のような症状を示し、咳、元気食欲の低下、胸水や腹水の貯留、呼吸困難、心肥大、急性心不全などを起こし寿命を全うすることが困難になります。このような状態を「フィラリア症」といいます。

「フィラリア症」の予防方法は、蚊に刺されて感染するフィラリアの子虫を、1ヶ月に1度の投薬ですべて殺滅することになります。つまり、蚊の出始めた月から、蚊がいなくなって1ヵ月後まで、毎月1錠づつ予防薬を飲ませるのです。どうしても薬を飲ませるのが難しいワンちゃんには塗り薬タイプもありますので、ご相談ください。

フィラリアは一度感染すると治療が非常に困難なため、とにかく予防が一番です。
また、まれに人やネコにも感染することが知られていますので、気になる方はご相談ください。
山や海、田畑が多いこの糸島地域は非常にフィラリアの感染率の高い地域になっています。
フィラリアの予防や症状、治療法などは気軽に当院までご相談ください。