2009年版
<伊都どうぶつ病院新聞>
1年を通じて(隔月発行ですが)こちらの「伊都どうぶつ病院新聞」で皆様にさまざまな動物の病気やその予防法などご案内していきたいと思います。
なるべくくだけた文章で皆様にわかりやすいように心がけてはおりますが、不明な点、わかりにくい点などありましたらお気軽に当院までお問い合わせください。
バックナンバーを今号記事下より閲覧できるようにしますので、ご覧ください。
今月からは「内臓シリーズ」ということで、第1回目の今回のテーマは「肝臓」です。
肝臓、という臓器は「沈黙の臓器」といわれるほど、表に症状を出さないことで知られています。そのため、気づいたときには思ったより症状が進行していることも少なくありません。今回はそんな「肝臓」にスポットをあててお話したいと思います。
<肝臓とは> 肝臓には2つの重要な働きがあります。
@解毒作用・・・身体には常に生活環境や外界から毒素が侵入してきます。それらを肝臓は解毒する機能があります。つまり肝臓が悪くなると、身体の中に解毒されない毒素がたまっていくことになるのです。
A消化作用・・・肝臓は食べたものを消化、吸収するために必要な酵素も作り出しています。そのため肝臓が悪くなると下痢や嘔吐、あるいは栄養失調を引き起こしてしまいます。
<肝臓病の症状(例)>
さまざまな症状が見られます。嘔吐・下痢・食欲不振・やせ気味・極度の肥満・ケイレン・メタボなおなか・・・など。
<肝臓病の例(カッコ内は原因)>
小肝症(門脈シャント)・肝臓障害(事故、中毒)・肝臓変性(脂肪肝・リピドーシス)・肝臓腫瘍・肝炎など
<検査方法> ・・・肝臓は外から見えないため、さまざまな検査機器を使用します。
血液検査・・・肝臓の酵素やタンパクなどを測定し、障害の度合いや肝臓の機能を数値として表します。
レントゲン・エコー検査・・・肝臓の形・大きさ・血管や胆嚢の状態を確認します。
<治療>
肝臓の病気が見つかれば、次は治療です。強肝剤や各種栄養剤(点滴)に加え、食事療法が大切な治療方法になってきます。その他、サプリメントも有効です。また、肝臓腫瘍や胆嚢結石が見つかれば手術が適用されることもあります。まずは気になる症状があれば、動物病院での検査をお勧めします。また不明な点や気になることがありましたら気軽に当院獣医師までご相談ください。
伊都どうぶつ病院
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