2011年版
<伊都どうぶつ病院新聞>

伊都どうぶつ病院TOPへ

1年を通じて(隔月発行ですが)こちらの「伊都どうぶつ病院新聞」で皆様にさまざまな動物の病気やその予防法などご案内していきたいと思います。

なるべくくだけた文章で皆様にわかりやすいように心がけてはおりますが、不明な点、わかりにくい点などありましたらお気軽に当院までお問い合わせください。

バックナンバーを今号記事下より閲覧できるようにしますので、ご覧ください。


伊都どうぶつ病院新聞 秋号
今回の話題は「皮膚病について」です


暑い夏が過ぎ、少しづつ涼しくなってきました。最近診察していて感じることですが、
9月にはいってから、皮膚病のわんちゃん、ねこちゃんが増えてきたような気がします。
通常は暑くてじめじめしている初夏から夏にかけて非常に多いのが、感染性の皮膚病の特徴なのですが、夏の肌疲れがこの時期に来ているようです。
というわけで、 「皮膚病」を今回のテーマに取り上げようと思います。
今回は皮膚病の中でも通常の感染症以外の少し特殊な皮膚病をピックアップしてみます。


         <アトピー性皮膚炎>

アレルギーという言葉はよく耳にしますが、アレルギーのなかでも皮膚にかゆみを起こす病気をアトピー性皮膚炎といいます。
アレルギーの1種ですから、アレルゲン(アレルギーの原因)が皮膚に付着したり、アレルゲンを吸い込んだり、食べてしまうことでかゆみがでます。
その症状は、特定の部位における発赤、かゆみがあり、また発症する年齢も若いという特徴があります。
アレルギーはいわゆる病気ではなくて、個人個人の体質のため、「治療するというより症状が出ないようにする」、「症状を軽くする」、というのが目的になります。
その方法は今でもさまざまな論議があるところですが、薬による治療、シャンプー、食事による治療、その他インターフェロン、アレルギー検査、サプリメントを勧めることがあります。どのような方法をとるかは症状や予算などを勘案して、獣医師と相談するのが一番です。
詳しくは当院までご相談ください。

<自己免疫性皮膚疾患>

最近、当院で目立つのが普通のアレルギー性皮膚疾患や感染症ではなく「自己免疫性皮膚疾患」という特殊な病気が見られます。
最近になって急に増えた病気というよりも、今まで診断されていなかった皮膚病で
特殊な診断方法が発展してきた現在、だんだんと診断されるようになってきたようです。
この皮膚病は自分の免疫力の過剰反応によって皮膚の細胞が傷み、ただれるという病気で、体の中でも特徴的な部分に発症することで診断されることも多いようです。
最終的には病理組織学検査という、皮膚そのものを専門の先生に診てもらうことで診断されます。
この病気の治療法は、まだ確立されていないものもありますが、多くの場合ステロイドという免疫力を調整(抑える)薬を使用することが多いです。
この病気は夏に悪化することがあるため、夏を越して急に皮膚が悪くなったと感じるようなことがありましたら、
一度動物病院を受診してみてはどうでしょうか?




      <栄養性皮膚疾患>


皮膚はその動物の栄養状態を外から見る事ができるひとつの臓器になります。
どういうわけかフケが多い、よく湿疹ができたり皮膚がただれる、毛のキューティクルがなくごわごわしている、など思い当たる症状がありましたら、もしかすると皮膚の栄養不足(栄養失調)かもしれません。
やせている動物でフケが多く毛がごわごわしている、という時は食事のせいかもしれません。
皮膚はさまざまな栄養がバランスよく摂取されることで良好な状態を保つことができますが
偏った食事(ジャーキーが多い食生活など)や質の悪いフード、人間の食べ物を食べている動物で、皮膚の調子が悪い場合は獣医師にご相談ください。
また内蔵にトラブルを抱えているわんちゃんなども皮膚に症状が出ることもあります。

伊都どうぶつ病院       

2009〜2010年バックナンバー

フィラリア症の予防について

外耳炎について

グルーミングで皮膚病予防

内臓シリーズ第1弾「肝臓」

内臓シリーズ第2弾「腎臓」

内臓シリーズ第3弾「心臓」

2010年春の特別号

2010年春の特別号第2弾

内臓シリーズ第4弾「胃腸」

内臓シリーズ第5弾「子宮・卵巣」

冬号 「中毒」

マイクロチップについて

狂犬病予防注射

熱中症