2012年版
<伊都どうぶつ病院新聞>

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1年を通じて(隔月発行ですが)こちらの「伊都どうぶつ病院新聞」で皆様にさまざまな動物の病気やその予防法などご案内していきたいと思います。

なるべくくだけた文章で皆様にわかりやすいように心がけてはおりますが、不明な点、わかりにくい点などありましたらお気軽に当院までお問い合わせください。

バックナンバーを今号記事下より閲覧できるようにしますので、ご覧ください。


伊都どうぶつ病院新聞 新春号
今回の話題は「犬・猫の混合ワクチンについて」です


意外と今までこのコーナーで取り上げてこられなかった話題、
というわけで、犬・猫の混合ワクチンについて今回はお話します。



         <混合ワクチンとは???>

ワクチンについて、どこから話し始めたらいいのか悩みますが、まずは初歩的なことから。
ワクチンとは、さまざまな感染症の病原菌(ウイルス)を不活化(死滅)・弱毒化(病原性を減弱)させたもののことです。
これを動物の体内に接種(ワクチネーション)すると、体の免疫反応によって、体がその病原菌(ウイルス)に対して感染しにくくなる体質をつくることができます。
そのことをいわゆる「免疫ができる」という表現であらわします。
犬やネコに、さまざまな病原菌に対する免疫をつけるために行うのが「混合ワクチン」というわけです。

<混合ワクチンで予防できる病気>

犬の混合ワクチン
@ケンネルコフといわれる、幼い子犬がよくかかってしまういわゆる「犬の風邪」
Aパルボウイルス性腸炎という非常に致死率の高い嘔吐・下痢症
Bジステンパーウイルスが原因で引き起こされる脳炎
Cレプトスピラ感染症という、犬から人間に感染し腎炎などを引き起こすことがある感染症
などさまざまな病気を予防することができます。

猫の混合ワクチン
@「猫の風邪」とよくいわれるカリシウイルス、ヘルペスウイルスが原因の感染症
A汎白血球減少症という、致死率の高い腸炎。
B一度発症すると治療方法がない猫白血病ウイルス感染症
などがあります。

これらのワクチンがそれぞれ何種類含まれているかによって、犬の場合5種混合〜9種混合、猫の場合3種混合〜7種混合という混合ワクチンが製造されています。




      <ワクチンの接種方法>

まず子犬や子猫を飼育し始めたときには、動物病院で「ワクチネーションスケジュール」を教えてもらいましょう。
各病院によって用いるワクチンの種類が異なったり、地域、環境などによってさまざまなスケジュールの組み立てがなされています。
多くの動物病院では幼若な動物には2〜3回ワクチンを接種する方法が採用されています。
またワクチンは1年ほどでその効果が弱まってきますので、成犬、成猫になっても年に1度のワクチンが勧められます。
しかしながらワクチンには、人間のインフルエンザワクチンなどと同様、ごくまれにではありますが副作用が発生する場合があります。
副作用は軽い発熱や元気の消失から、ひどいものの場合は嘔吐からショック状態に陥ることもあります。
ワクチンを接種する際には、獣医師よりこのような副作用の話も聞いておくことが大切です。
初年度のワクチン接種がすんだら、一安心です。


記事に関してあるいは他のことでも、ご不明な点は当院にお尋ねください。
伊都どうぶつ病院
      

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